有機野菜で大切なバクテリアは、味にも影響するって知ってた?【第1回】

有機野菜アイキャッチ

私たちが日々、口にする食べ物。最近では“健康でスマートな生活”をキーワードに、

多くの人が、オーガニックなものを求めるようになりました。

特に、著名なインスタグラマーやブロガーの方が有機栽培の食品をオススメしているのをよく見かけます。

が、

そもそも有機栽培は、どんなものが該当し、食べることでなにが起きるかご存知ですか?

憧れの人がやっていたから、ではなく、本当の意味でオーガニックなものに触れるため、

有機野菜を取り扱う八百屋さんである“八百為商店”さんにお話を聞いてみました。

そうしたら、野菜は、私たちが食べた後も生きている、体内で共存するようなものであることが分かったんです。


 

八百為さん

━━八百為さん、今日はお忙しい中すいません。
(取材に伺ったのは17時ごろ。じつは翌日の卸しの注文などが殺到するので、非常にお忙しい時間帯でした…。)

八百為さん いいですよ、それで、今日聞きたいというのは。

━━有機栽培、という単語をよく見かけるんですが、なんとなく体によさそうくらいの知識しかないんです。実際、一般に販売されている野菜や果物と何が違うのかな、と。

八百為さん うん、そもそも、有機栽培とは農薬を使用していない畑の土壌で育てられた野菜のことです。

━━いわゆる無農薬というやつですね。

八百為さん そうです。そうすると、土壌の中で、野菜や果物をおいしく育て、人間の体の健康を保ってくれるものがたくさん育ちます。

━━お野菜の中ではなく、土壌の中にですか?

八百為さん 最終的にはお野菜の中に育まれるんですが、まずは「土壌の中に」です。それが“バクテリア”です。

枝豆

八百為さん 徐々に知識として広まっているんですが、野菜や果物は内部にバクテリアを内包しているんですよ。これは、今回は「バクテリア」で統一しますが、よく健康食品のコマーシャルで報じられるように「酵素」と呼ばれることもあります。

これらバクテリアは土壌に15〜16万種類ほどいると言われ、野菜は成長に伴って土壌内からさまざまな種類を吸い上げていきます。

そして、最近分かったことなんですが、このバクテリアの中に人間が食べたときに「甘みを感じるバクテリア」「辛みを感じるバクテリア」また「虫を寄せ付けないバクテリア」などが存在しているんですね。

━━バクテリアで味を感じるんですか! 勉強不足で全然知らなかったです!

八百為さん たとえばメロンのような糖度の高い果物の場合、甘みを感じるためのバクテリアが少ないと、もちろん甘みを薄く感じます。逆に、トマトなどの野菜を育てる土壌に、甘みを感じるバクテリアをたくさん繁殖させれば、甘くておいしいトマトが育ちます。

豊かな土壌、とよく言いますが、これはバクテリアの豊富な土壌というのを指すんですね。

そして農薬は、このバクテリアを殺してしまうんです。なにせ細菌ですから。バクテリアを殺してしまうとどうなるかというと、おいしさが薄い野菜になってしまうということです。そのため、おいしい野菜として、有機栽培の野菜は良いとされています。

そしてもうひとつ、農薬でバクテリアを殺してしまうことで、野菜を食べても体に良いバクテリアをたくさん取り込むことができなくなります。

━━お野菜や果物を食べるときは、食物繊維やビタミンのことばかり気にしていました。

八百為さん そういう人も多いと思います。腸内フローラ、という言葉をしっていますか? 人間の腸の中には、たくさんのバクテリアが共生していて、まるで何万種類もの品種の花が咲き乱れるお花畑のように繁殖しています。このうち、人間の体によくないものがたくさん繁殖すると体調不良の原因になる、という話なんです。

だから、良質なバクテリアを含んだ野菜や果物を食べていると腸内フローラの環境が整います。そうすることで、人間に良い影響を与えてくれるんです。

インタビューに答える

八百為さん この腸内のバクテリアの大切さを、本能的に知っている動物もいます。ライオンがシマウマなどの草食動物を食べる映像を見たことはありますか?

━━CS放送などで見かけたことがあります。

八百為さん ライオンはね、草食動物しか食べないんですよ。そして、どこから食べるかというと、内臓から食べます。これは腸内フローラの仕組みを論理としては知らないんですが、本能として、内臓にバクテリアがいっぱいいることを知っているからです。

酵素、つまりバクテリアを摂取するために、草食動物の内臓を食べるんです。

━━あー! なるほど! 草食動物は植物だけ食べているので、バクテリアをたくさん保有しているんですね!

八百為さん 肉食動物は植物からバクテリアを摂取することはほとんどないので、このような形で摂取するしかないんです。人間も、元々は本能的に知っていたんですが…。

昔の、野菜を中心とした質素な食生活にはバクテリアを含む食品が多かったんです。たとえばぬか漬けなんかは発酵させることでバクテリアを増やす役割がありました。

また、自然界の発酵温度は60度程度と言われています。現在のようにしっかり熱を通すことでほとんど死んでしまうんです。まして、農薬を使用して育てられた野菜であれば、元々保有しているバクテリアの数は少ないので…。

━━摂取できるバクテリアはさらに少なくなってしまう。

八百為さん お肉やお魚はお店に並んだ時点で死んでいます。ただ、野菜は生きた状態で売られるんです。なぜなら、野菜の中でバクテリアが生きていますから。

だから、有機栽培の野菜や果物と、農薬を使用したものの違いは、バクテリアを豊富に含み、体に良い影響を与えるかどうかと言えるかもしれません。

第2回は下のリンクから

有機野菜で大切なバクテリアは、味にも影響するって知ってた?【第2回】

2018.09.13

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のじ さとし

編集者、ライターの のじさとしです。ラーメンを食べると胃にくる30代。新聞社→出版系の編集プロダクション→自転車屋さんとライター編集業の兼業、と順調に一般社会人のレールを外れています。商店会では撮影、ライティングなどを担当しています。