明治時代からつづく梅干し屋さんに聞く、梅ジュースの作り方

夏の暑い時期をどう乗り切るか、というのは今も昔も変わらない悩みの1つ。クーラーや扇風機だけでは体が冷えすぎてしまうし、あまりたくさん冷えたお水を飲むと体に負担がかかってしまう。

そんなとき、梅ジュースは良い味方になってくれます。さわやかな甘みと梅独特の柔らかな香り。そしてクエン酸などが涼味を与えてくれます。

もちろん買ってくることもできるんですが、意外にも簡単に作ることができます。

さあ、今回は梅ジュースレシピのご紹介です。

梅ジュースのレシピは世の中にたくさんありますが、今回は十字町商店会の中でもひときわ長い歴史を持つ「欄干橋(らんかんばし)ちん里う」さんにお聞きしてみましょう。

ちん里うのマスターと梅ジュース
ちん里うのマスターと梅ジュース

創業 約140年の梅干し屋さんに、梅ジュースの作り方を教えてもらえる機会は、なかなかありません。

まずは梅の下準備をする

━━ 今日はお忙しい中ありがとうございます。梅ジュースの作り方を教えていただけるということで。

ちん里うさん 梅ジュースもね、夏にはさっぱりしてていいよ。ただ、梅の旬の6月に仕込むことになるんだけど…。

仕込んでから3カ月後の9月くらいからおいしく飲めるから、翌年の夏も飲めるようたくさん仕込みます。

━━そうなんですか。

ちん里うさん 今やっとかないと来年も、その先も飲めなくなっちゃうから。来年の自分のために今用意してあげるという考えだよね。

━━ 来年の僕、良かったな。

梅を洗うマスター

ちん里うさん まず用意するのは青梅と梅の量に合わせた大きい保存容器、そして梅を漬け込むための大きいポリ袋。最後に青梅と同量の氷砂糖。梅の出回る時期は、それぞれホームセンターなんかで1箇所にまとめて売られているから、迷うことはないと思うよ。

━━ たしかに梅干しコーナーみたいの出てますね。

ちん里うさん 作り方はいたってシンプルで、青梅を洗って、氷砂糖につけるだけ。だけど、いくつか気をつけてあげるだけで味わいが変わるから。順を追って説明していくよ。

━━よろしくお願いします!

青梅

まずは保存容器に青梅を入れ、流水でジャブジャブと洗っていく。ちん里うさんの手つきを見ていると、そんなに繊細に洗う必要はないよう。

「梅についた汚れなどを落とすから、多少力を入れて大丈夫。ただし、梅がつぶれたり傷ついたりするほど強くするのはダメ。」洗っている様子を撮影している、梅の香りがただよう。こういう作業のときに感じる四季も、少しホッとする。

青梅を別容器に移す

ザッと洗い終わったら適当な容器に青梅だけを移し、水を捨てる。今回は同じ種類の保存容器2つを使っているので、画像だと分かりにくいかもしれませんね。

流水で洗う

その後、移した方の容器で、もういちど流水を使って洗い流します。

現れた青梅

洗い終わった青梅は水を切ってまとめておきます。

ころころとした青梅の可愛さに、なんとも言えない気分です。

ヘタをとる

そして1つずつヘタをとっていく。「ヘタは熟成させていているときにとれて浮遊したりもするし、面倒でなければ取り払ったほうがいいいね」だそう。

青梅に穴をあける

今度は竹串で青梅に穴を開けていきましょう。こうすることで、より梅のエキスが抽出しやすくなって早くできあがるんだとか。プロが仕込むときはゆっくりと抽出するので、穴をあけない場合もあるそうですが。

ここは時間のかかる作業。細かな仕込みは続きます。

下準備完了

そうして下準備が終了しました。

梅を漬け込む

容器を用意

続いて漬け込む用の保存容器にポリ袋をかぶせていきます。

袋をかぶせる

ちょっと余裕を持たせて被せたら…

青梅の水分をとる

手ぬぐいなどで梅についた水分を拭いながら保存容器に入れます。

容器に敷き詰める

まず一層、青梅を敷き詰めます。

氷砂糖を用意

そこに氷砂糖をかけるんですが…ここからがポイントです。

層にしていく

「梅」「氷砂糖」「 梅」「氷砂糖」とサンドイッチのように層にしていきます。このとき、梅4kgであれば同量の氷砂糖4kgのうち、層にしていく氷砂糖は1kgだけ。残り3kgは最後に一番上に敷き詰めます。

氷砂糖を追加

どんどん青梅を追加し…

砂糖と梅を交互に入れる

層にしていきます。何層でもいいようですが、今回は5層くらい。

氷砂糖を上からかける

そして最後に残り3kgの氷砂糖を最上段に全部のせていきます。こうすることで、氷砂糖の重みで青梅にじっくりと圧力がかかり、エキスが抽出されやすくなるようです。「ちょっとしたことだけど、これがおいしく仕上げるコツ。」職人さんらしい口調です。

砂糖をならす

これで漬け込み終了。

袋をかるくしばる

袋をしばって保存容器の蓋をして、冷暗所に常温で保存します。漬けこみ期間は3カ月ほど。

梅のエキスができると梅の実がしぼむので、そうしたら実を取り出して数ヶ月おくとさらにおいしくなります。飲む前には、一度沸騰しない程度に加熱すると良いとのこと。

毎日中の様子を確認して、氷砂糖が溶けてきたら撹拌してあげるとより味わい深く仕上がります。また熟成期間中にはガスが発生して泡だってくることもあるので、蓋をあけて逃がしてあげることもコツの1つです。

梅に竹串で穴を開けていれば1カ月ほどで飲むこともできますが、やはり長期間熟成したほうがおいしいそう。

少し手間はかかりますが、昔ながらの美味しい梅ジュースができあがります。

完成

そしてもちろん、ちん里うさんでは梅ジュースを購入できます。

販売している梅ジュース

作るのがちょっと大変、という人にはオススメです。やっぱり伝統の製法を守るプロの作るものはちょっと違う。

実際に飲んでみる

梅ジュースとコップを用意

僕も1つ購入してきました。

飲み方

飲み方はいたって簡単で、梅ジュースをお水やソーダ水などで3倍に薄めるだけ。

原材料表記

保存料は何もありません。原材料は梅と氷砂糖のみ、自然の味わいです。

梅ジュースをそそぐ

撮影日は猛暑日だったので…

冷えたコップ

気持ち多めに入れて…

ソーダ水を注ぐ

ソーダ水で割ってみました。

梅酒とは違う、梅の風味とコクのある甘みで、さっぱりとした口当たり。

旨味が強いように感じる一杯です。

焼酎で割ってみたんですが、これが梅酒よりおいしいんではないかと思えるものでした。是非、一度試してみてください。

試飲

小田原名物の梅を使った梅ジュース、今年はちん里うさんで購入して、来年はお手製梅ジュースを楽しんでみませんか。

それでは、また!

 

教えてくれたのは…

ちん里う店舗
欄干橋 ちん里う
梅干、漬け物、佃煮 販売
住所 小田原市南町4-2-37
電話 0465-23-1547
営業時間 9:00〜18:00
定休日 不定休

お店の詳細はこちら

アクセス

 

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

のじ さとし

編集者、ライターの のじさとしです。ラーメンを食べると胃にくる30代。新聞社→出版系の編集プロダクション→自転車屋さんとライター編集業の兼業、と順調に一般社会人のレールを外れています。商店会では撮影、ライティングなどを担当しています。